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日本から里帰りしたパンダを取材

著者:文/図 鐘婷       時間:2014-05-14

 中国が国際的にパンダの技術交流及び研究の連携を行うための繁殖協議によって、パンダが海外で出産した子パンダはその所有権がすべて中国にあり、性成熟に達した後、若しくは協力期間の終了後、中国に戻ることになっています。これは、海外で生まれたパンダの赤ちゃんは4歳頃になったら祖国に戻れることを意味しています。今まで日本から里帰りした7頭のパンダは成都パンダ繁育研究基地に住んでいます。今日は彼らの近況を確認するために取材に行きます。 

 

 2004年に里帰りした「雄浜」は世界でも人工飼育のもとで冬に生まれた初のパンダの赤ちゃんです。「雄浜」の母親は英雄なる母と呼ばれたパンダ「梅梅」で、父親はパンダ「永明」です。「雄浜」は今や成都パンダ繁育研究基地にとって欠けてはならない種付けパンダで、壮年期の彼はもう何頭もの子供の父親になりました。例えば、2006年に生まれた51「ウーイー」、彼はパンダの世界でとても有名で、母親はパンダ「奇珍」です。

 


豪快な「雄浜」

 

 浜家の男たちは粗野な顔立ちが特徴です。父親の永明のように尖った顔、長っ鼻、体格もやや太っています。雄浜の飼育者楊小霊の話によると、今、雄浜の体調は絶好調で、春には主に栄養たっぷりの筍を食べるため、体重はいつも150キロぐらいに保たれています;冬は主に笹を食べ、130キロぐらいを維持できています。

 

 2003年に、双子兄弟「秋浜」、「隆浜」が生まれました。これによってパンダ梅梅の記録がまた更新され、囲い込み飼育で同時に二頭の赤ちゃんを育てることができる初めての英雄なる母となりました。この兄弟は2007年10月に成都に里帰りしました。 

 


ころころと太った「秋浜」

 

 秋浜は、今パンダ基地の幼年館に住んでいます。「秋浜は冬には主に笹を食べ、他の季節には筍を主食とするため、今の体重が130キロぐらいで、日本から戻った頃より40キロ増えました。」と雄浜の飼育者の譚金淘は話しました。「ほら、秋浜は朝ご飯を美味しそうに食べています。こんなに太くなるなんて、簡単にできるものではありませんよ。」 

 


きりりとした「隆浜」

 

 14号別荘に住んでいるパンダ「隆浜」は、きりりとした風貌をしています。笹を食べる時のきちんとした姿勢を見てください。一歩でも移動はしたくないくせに、ほかの食いしん坊たちのように寝転がって食べたりはせずに、体を横に伸ばし笹を取って食べては、ついでにそのパーフェクトなボディラインを見せびらかします。飼育者の卿太強は2007年に日本の和歌山白浜動物園で日本へ旅しているパンダを世話したことがあります。彼の話によると、「隆浜は日本から戻ったころは、少し痩けた顔をして、特に目の周りの部分がひどく、簡単に見分けができました。隆浜は穏やかで冷静な性格をしています。」

 

 「幸浜」は雄のパンダで、2005年に生まれ、2010年3月16日に成都に里帰りして、今はパンダ基地の14号獣舎に住んでいます。

 


端正な「幸浜」

 

 幸浜の見かけは浜家の男の子たちの中でも端正な方で、だが、頭にある横に張り出した大きな耳はその引き継いだ血統を示しています。 

 

 2006年に日本で生まれたパンダ「愛浜」は可愛くて萌え萌えの女の子です。今では7歳になって、パンダ基地の月亮産室に住んでいます。兄がいて、「明浜」といい、お兄さんのほうは今広西の柳州市で交流任務を果たしているところです。兄弟は2012年12月に帰国しました。

 


昼ご飯の時間に、愛浜は嬉しそうにとうもろこしの蒸しパンを食べています
「母親‘妹妹’の美しさを引き継いで、愛浜は母親似の可愛い丸顔をして、さすがパンダ界の美女です」

 

 2008年10月に、日本の和歌山白浜野生動物園で悲しいことが起こりました。パンダの英雄なる母梅梅が腸閉塞の病気で亡くなりました。腸閉塞はパンダが掛かりやすい消化器系病気の一つで、死亡率が高いため、パンダのステルスキラーと言われています。パンダ一が病気になったら、手術せずに保守療法を行うのがほとんどで、国内外では、パンダの腸閉塞が手術で回復できた先例がまだありません。パンダ梅梅の死は、国内外のパンダファンたちを悲しませました。2000年に、パンダ梅梅は種付けを受けた後日本へ旅し、二ヶ月後雌のパンダ「良浜」を出産しました。2008年まで、日本で延べ9頭のパンダを出産し、7頭が活着しました;この記録によって、日本のパンダ個体群は中国以外の国で最も大きな規模のパンダ個体群となります。 

 

 幸いなことは、同年日本からいい知らせも届きました。梅梅の娘の良浜は9月13日に、「梅浜」と「永浜」と名付けられた男女の双子を出産しました。この兄弟はパンダ梅梅の死後、日本で生まれた最初の双子で、2013年2月に成都へ里帰りしました。 

 

 14号館に住んでいる梅浜は母親似で、良浜のような丸顔、キラキラした大きな目を持っています。寝るのが好きなようで、昼間はほとんど腹ばいになって様々な姿勢で寝ているので、なかなか顔を見せてくれません。 

 


寝るのが好きな「梅浜」

 


内気で臆病になりがちな「永浜」

 

 パンダ「永浜」はパンダ基地パンダ 1号別荘に住んでいます。臆病になりがちで、はにかみやな性格が特徴です。以前は体調が悪く、背が伸びずに、獣医と飼育者たちの努力によって、やっと解決方法が見つかりました。今は専門の食物調合療法を受け、体重が106キロ(この年齢のパンダの正常体重は普通110キロから120キロ)まで増えました。早く回復できるよう心から祈っています。パンダファンのみなさんが元気で可愛い永浜に一日も早く会える日が来ることが待ち遠しいです。 

 

 近年、日本で生まれたパンダには、ほかにも2010年に生まれた男女の双子「海浜」と「洋浜」、そして2012年に生まれた雌のパンダ「優浜」がいます。彼らはまもなく祖国に戻り、浜氏家族はますます繁栄し、パンダの繁栄のために貢献し続けるでしょう。